その11 冷房機に利用できる!?海洋深層水

【広報入善2002年9月号掲載】

海洋深層水は、さまざまな分野での利用方法が研究されていますが、その特性である冷温性を生かして、「冷房機」にも利用することができます。

一般に、冷水を冷媒に使った冷房機は、冷凍機などを使って水の温度を5～7℃に下げなければなりません。そこで考えられるのが、冷水の代わりに海洋深層水を使う方法です。特に入善海洋深層水は、一年を通して水温が1～2℃と低温なので、冷水代わりにはぴったりです。

しかし、海洋深層水は塩分を含んでいるため、そのまま使うと送水管などの器材を傷める恐れがあります。

そこで、海洋深層水を使った冷房では、「冷凍機」の代わりに海洋深層水を使います。水と海洋深層水を熱交換させることで、冷媒である水を冷やすという方法です。

冷凍機を作動させるには、大きなエネルギーが必要ですが、海洋深層水を利用すれば、エネルギーをほとんど使うことなく水温を下げることができ、省エネ効果が期待できます。

実は、下飯野の「入善海洋深層水活用施設」内は、この方法で全館冷房を行っています。ぜひ一度施設へお越しいただき、ひんやりとした海洋深層水の冷房を体験してみてください。